飼育日誌 2日目

 

 8月1日  一夜明けて

  

鳥の朝は早いもの、という事くらいは知っていましたが、朝6時に起きてみると、すでにヒナはタオルから出ており、わたしの顔をみると「ぴぃぴぃぴぃ」を始めました。
なんとか生きていてくれた事にひと安心。明日はもっと早く起きなければ。
朝の食欲も旺盛で、続けて何口も食べ、食べ終わるとすぐに眠ります。
とにかく一夜は越したものの、今後どうすればいいのか、まるでわかりません。
ネットで「つばめ」「ヒナ」「保護」などのワードで検索してみると、日本野鳥の会の「ヒナを拾わないで!!キャンペーン」にヒットし、読んでみてびっくり。
しかし、拾ってしまったからにはなんとか育てて自然に帰すしかない!と、更に検索してみると、餌のやり方、間隔などがわかってきました。

・餌は欲しがるだけ与えてよい。

・つばめは昆虫を食べる鳥なので、生きた虫を与えるのが一番良い。

・生きた虫が手に入らない場合、ペットショップで売っている「ミルワーム」という穀物に付く害虫(チャイロコメノゴミムシダマシ)の幼虫(一日目にペットショップでみせてもらったもの)を与えると良い。
ミルワームは買ってきたままの物を長期に与えると栄養障害を起こす事がありますので、ミルワームの餌を改善して栄養のあるものにしなければなりません。詳しくは「お急ぎの方へ(3)」をご参照下さい。

・野生動物の保護施設などでは鶏のささ身を小さく裂いたものを代用食として与えている。

・うぶ毛の生えたヒナの場合、最低30分間隔で餌を与えなければならない。
大人の羽根に生え変わってからも最低1時間おきの給餌が必要。


だいたいこれくらいのことが分かったのですが、ミルワームには問題がありました。生きた虫なので常温だと成長してさなぎになってしまうため、冷蔵庫で保管するということです。(また、後述しますが、さなぎを与えると喉につめることがあります)
父は言うまでも無く、動物好きなほうの母でさえ、虫を冷蔵庫で飼うことには反対でした。というわけで、すり餌だけでは栄養不足になると思い、鶏のささ身を与えることにして買いに出かけました。

(ヒナの成長、状態により餌は変わります。必ずしもささ身を食べて大丈夫とは言い切れないと思いますので、消化しているか必ずフンを見てください。)
鶏のささ身も与えるときの注意点があります。つるつるしているように見えて、意外と喉のとおりが悪いので、ヒナが喉をつまらせないように、水で濡らして与えるということです。また、人肌くらいに温めて与えます。
餌について詳しくは「お急ぎの方へ(3)」をご参照下さい。

わたしは長さ1センチくらい、太さ3ミリくらいから始めました。箸でつまんで口元へ運ぶと、始めは水の感触にとまどっていたようでしたが、このヒナは何でも食べるのか、じきに喰いつきました。一回の餌やりで、ささ身一切れ、すりえ二口ほど食べました。

ヒナは起きている間はひっきりなしに毛づくろいしています。改めて観察してみると、まだ首の後ろや翼の下は羽根が生えておらず、赤い地肌が見えていました。
背中に生えている白い管状のものは、調べてみると「羽管」(うかん)というもので、この中に羽根が入っているそうです。ヒナはこの羽管をつついて取っているようでした。

一時の飢餓状態を脱すると、食欲が落ちてきました。無理に与えようと餌を口元へ近づけると、嫌がって「ぴ…ぴ…」と小声で鳴いて後ずさりする姿がとても おかしい。
ヒナはまだ目があかない頃は、親鳥が巣に降り立つ振動で口を開けて餌をねだるそうです。その習性が残っているのか、巣箱をとん、と叩くと口をあけることがあります。

この日も7時頃に眠りについたようです。ヒナが夜風に当たらないよう、巣箱の周りをダンボールで囲み、厚手のタオルをかけ、フンが出来るようにするためと、暑くなったときの逃げ場としてタオルの端を少しあけておくと、このヒナは暑がりなのか、9時ごろ見たときにはタオルから出て眠っていました。
フンも寝ながら一晩に3〜4回するようです。

 

 

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